Q&Aでわかる2024税制改正

2024年確定申告:源泉徴収された税金の精算方法Q&A(フリーランス向け)

Tags: 確定申告, 源泉徴収, 所得税, 還付, フリーランス

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このサイトでは、2024年の所得税改正を中心に、フリーランスの皆様が確定申告に向けて知っておくべき情報をQ&A形式で分かりやすくお伝えします。確定申告を正確に行い、適切な納税や還付を受けるために、税制改正の内容を理解することは重要です。

この記事では、フリーランスの多くの方が関わる「源泉徴収」に焦点を当てます。取引先から源泉徴収されている場合、確定申告でその税金がどのように扱われるのか、還付は受けられるのかといった疑問にお答えします。

Q1: フリーランスでも源泉徴収されることがありますか? どのような所得が対象ですか?

A1: はい、フリーランスの場合でも、特定の所得については支払いの際に所得税等が源泉徴収されることがあります。これは、所得を支払う側(取引先)が、支払金額の一部をあらかじめ所得税として天引きし、国に納付する制度です。

主に、以下のような所得が源泉徴収の対象となる代表例です。

ただし、すべての取引先が源泉徴収を行うわけではありません。取引先が法人である場合や、個人事業主でも源泉徴収義務者に該当する場合に源泉徴収が行われることが一般的です。また、同じ業務内容でも、請負契約か雇用契約かによって源泉徴収の有無や税率が異なる場合がありますので、契約内容を確認することが大切です。

Q2: 源泉徴収された税金は、確定申告でどのように扱われますか?

A2: 源泉徴収された税金は、「前払いした所得税」として扱われます。

フリーランスの場合、年間の正確な所得税額は、1月1日から12月31日までの1年間の所得(収入から経費を差し引いた金額)に基づき、各種所得控除(社会保険料控除、基礎控除など)や税額控除(青色申告特別控除など)を適用して確定申告で計算されます。

この計算された「本来納めるべき年間の所得税額」から、すでに源泉徴収によって「前払い」した税金の合計額が差し引かれます。

多くの場合、フリーランスは経費や所得控除を差し引くことで、所得税額が源泉徴収された金額の合計よりも少なくなるため、確定申告によって税金が還付されることになります。

Q3: 具体的に、確定申告書にはどこに源泉徴収された税金の額を記載しますか?

A3: 確定申告書(第一表)の「税金の計算」欄にある「源泉徴収税額」の項目に記載します。

この金額は、取引先から交付される「支払調書」に記載されている源泉徴収税額の合計額を転記することになります。複数の取引先がある場合は、それぞれの支払調書に記載されている源泉徴収税額をすべて合計して記載します。

確定申告書では、この「源泉徴収税額」の金額が、最終的に計算された所得税額から差し引かれ、還付額または納付すべき金額が計算される仕組みになっています。正確な金額を記載することが、適切な納税や還付を受ける上で非常に重要です。

Q4: 源泉徴収された税金が多すぎた場合、還付されるのはいつですか?

A4: 確定申告書を提出し、税務署による内容の確認が終わった後、通常1ヶ月から1ヶ月半程度で指定した金融機関の口座に振り込まれます。

e-Tax(電子申告)で申告した場合や、還付申告(税金を納めすぎた場合にのみ行う申告)の場合は、比較的早く還付される傾向にあります。ただし、申告内容に不備があった場合や、税務署の処理状況によっては、さらに時間がかかることもあります。

還付金が振り込まれる際には、税務署から「国税還付金振込通知書」が郵送で届きますので、金額や振込先口座を確認することができます。

Q5: 源泉徴収された税金が、計算した所得税額より少ない場合はどうなりますか?

A5: その場合は、差額の税金を税務署に納める必要があります。これを「追納」といいます。

確定申告書を作成する過程で、年間の所得税額が計算され、そこから源泉徴収税額の合計が差し引かれます。この結果、納付すべき金額が表示されますので、その金額を期限内に納付します。

納付方法には、振替納税、e-Taxによる電子納税、クレジットカード納付、コンビニ納付など様々な方法があります。振替納税を選択すると、指定した金融機関の口座から自動的に引き落とされるため、納付漏れを防ぐことができます。

Q6: 複数のクライアントから源泉徴収されている場合、どうまとめて申告しますか?

A6: 複数のクライアントから源泉徴収されている場合でも、確定申告はすべての収入とそれに対する源泉徴収税額をまとめて行います。

それぞれのクライアントから受け取った支払調書(またはそれに代わる源泉徴収額が記載された書類)を確認し、1年間の収入金額と源泉徴収税額の合計額を算出します。

これにより、年間の総所得に対する正確な所得税額が計算され、そこからすでに天引きされた源泉徴収税額の合計が差し引かれて、最終的な納付額または還付額が確定します。

Q7: 源泉徴収額はどのように確認できますか? 支払調書がない場合は?

A7: 源泉徴収された税額を確認する最も確実な方法は、取引先から交付される「支払調書」です。支払調書には、1年間にその取引先から支払われた報酬等の金額と、そこから源泉徴収された税額が記載されています。確定申告の時期(通常1月下旬から2月頃)にかけて取引先から送付されることが一般的です。

もし支払調書が送られてこない場合でも、源泉徴収が行われているはずの所得がある場合は、取引先に支払調書の発行を依頼してください。税法上、支払調書の交付は義務付けられています。

仮に支払調書の発行が難しい場合でも、ご自身の通帳の入金履歴や請求書と照らし合わせて、源泉徴収された金額を把握する必要があります。振込金額が契約金額から源泉徴収税額(通常10.21%)を差し引いた金額になっているか確認し、ご自身で集計することになります。正確な源泉徴収税額を把握し、確定申告書に正しく記載することが重要です。


源泉徴収は、フリーランスの所得税計算と確定申告において重要な要素です。ご自身の収入からどのくらいの税金がすでに納められているかを正確に把握し、確定申告書に正しく記載することで、適切な税額を計算し、還付を受けるべき税金は確実に還付を受けることができます。2024年分の確定申告に向けて、源泉徴収に関する理解を深め、準備を進めてください。