Q&Aでわかる2024税制改正

2024年所得税改正:国外居住親族の扶養控除見直しQ&A(フリーランス向け)

Tags: 税制改正, 2024年, 確定申告, フリーランス, 所得税, 扶養控除, 国外居住親族

2024年の確定申告は、2023年分の所得に対して行われます。この確定申告から適用される税制改正の一つに、国外に居住する親族に係る扶養控除の見直しがあります。フリーランスの皆様にとっても、ご自身の確定申告に影響がある場合がありますので、正確な情報を確認しておくことが重要です。

この記事では、国外居住親族に係る扶養控除の改正点について、Q&A形式で分かりやすく解説します。

Q1:国外居住親族に係る扶養控除は具体的に何が変わったのですか?

A1: この改正により、扶養控除の対象となる国外居住親族のうち、年齢が30歳以上70歳未満の方については、原則として扶養控除の適用を受けることができなくなりました

これは、国外に居住する親族に対する扶養の実態をより正確に把握し、適正な税務申告を促進することを目的として行われた見直しです。これまでは年齢による制限がありませんでしたが、2023年分の所得から適用される確定申告からは新たなルールが適用されます。

Q2:30歳以上70歳未満の国外居住親族でも、引き続き扶養控除を受けられるケースはありますか?

A2: はい、30歳以上70歳未満の国外居住親族であっても、以下のいずれかに該当する場合は、例外的に扶養控除の対象となります。

  1. 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった方: 外国の学校教育法に相当する法律に基づき、教育を受ける目的で国外に居住している場合です。
  2. 障害者: 所得税法上の障害者に該当する方です。
  3. 納税者から生活費または教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている方: その年において、納税者から国外居住親族の生活費や教育費に充てるための金銭または送金を合計で38万円以上受け取っている場合です。

これらの例外規定に該当するかどうかは、後述する書類を提示または提出して証明する必要があります。ご自身の扶養親族がこれらの例外に該当するかどうかをご確認ください。

Q3:フリーランスとして、この改正によって確定申告で注意すべき点は何ですか?

A3: 国外に居住している親族を扶養控除の対象としているフリーランスの方は、その親族の年齢が30歳以上70歳未満であるかを確認することが最も重要です。

もし該当する場合は、その親族がQ2で説明した3つの例外のいずれかに当てはまるかどうかを確認し、確定申告に必要な書類を事前に準備する必要があります。例外に該当しない場合は、その親族については扶養控除の対象から外れるため、確定申告書で扶養親族として記載しないように注意が必要です。

また、これまで扶養控除を受けていた親族が対象から外れることで、課税所得が増加し、納税額が増える可能性があります。ご自身の所得や他の控除と合わせて、影響額を把握しておくことも重要です。

Q4:国外居住親族の扶養控除を申告する際に、必要となる書類はどのようなものですか?

A4: 国外居住親族について扶養控除の適用を受けるためには、確定申告書に「親族関係書類」と「送金関係書類」を添付または提示する必要があります。

さらに、Q2の例外規定(30歳以上70歳未満の親族の場合)に該当する場合は、上記の書類に加えて、以下のいずれかの書類が必要になります。

これらの書類は、扶養控除を適用するために不可欠ですので、早めに準備しておくようにしてください。

Q5:これらの必要書類は必ず提出が必要ですか?

A5: 原則として、確定申告書にこれらの書類を添付する必要があります。ただし、電子的提出(e-Tax)の場合など、一部のケースでは書類の提出を省略できる場合がありますが、税務署から提出を求められた際には速やかに提出できるように、手元で保管しておく必要があります。

必要な書類の添付または提示がない場合、国外居住親族に係る扶養控除を受けることができません。誤った申告を防ぐためにも、対象となる親族がいる場合は、必要書類を漏れなく準備し、確定申告の際に正しく手続きを行うことが大切です。

結び

2024年の確定申告から適用される国外居住親族に係る扶養控除の見直しは、特に30歳以上70歳未満の親族を扶養している方に影響があります。ご自身の扶養状況を確認し、対象となる親族がいる場合は、改正内容と例外規定、そして必要な書類をしっかりと把握しておくことが、スムーズな確定申告を行う上で重要です。

不明な点がある場合は、国税庁のウェブサイトで最新情報を確認したり、税務署や税理士に相談したりすることをお勧めします。計画的に準備を進め、正確な確定申告を目指しましょう。