2024年税制改正:フリーランス向け個人住民税定額減税Q&A
2024年の税制改正では、所得税と合わせて個人住民税においても定額減税が実施されます。フリーランスとしてご自身で確定申告をされている方の中には、所得税の定額減税についてはニュースなどで目にする機会があったとしても、個人住民税の定額減税がどのように適用されるのか、ご自身の納税や確定申告にどう影響するのか、疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、個人住民税の定額減税について、特にフリーランスの方が知っておくべきポイントをQ&A形式で解説いたします。
Q1:個人住民税の定額減税とはどのような制度ですか?
A1: 2024年度に限り、物価高による国民の負担を軽減するため、所得税と個人住民税から一定額を控除する特別措置として実施されるものです。所得税の定額減税と連携して行われます。
Q2:フリーランスの場合、個人住民税の定額減税はどのように適用されますか?
A2: 個人住民税の徴収方法は、会社員などの給与所得者が「特別徴収」(給与から天引き)であるのに対し、フリーランスや個人事業主の方の多くは「普通徴収」(ご自身で納付書や口座振替などで納付)となります。
普通徴収の場合、通常、個人住民税の納税額は6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納付します。定額減税は、このうち第一期分の納付額(6月分)から控除されます。第一期分で控除しきれない金額がある場合は、第二期分(8月)、第三期分(10月)、第四期分(翌年1月)の納付額から順次控除されていきます。
Q3:個人住民税の定額減税額はいくらですか?
A3: 控除される金額は、原則として納税者本人および控除対象配偶者、扶養親族1人につき1万円です。例えば、納税者本人と控除対象配偶者1人、扶養親族1人の合計3人の場合は、合計3万円が個人住民税から控除されます。
この金額は、所得税の定額減税(本人および控除対象配偶者、扶養親族1人につき3万円)とは別に計算されます。所得税と住民税を合わせた定額減税額は、本人および控除対象配偶者、扶養親族1人につき合計4万円となります。
Q4:個人住民税の定額減税を受けるために、確定申告などで何か手続きが必要ですか?
A4: 原則として、特別な手続きは不要です。個人住民税は、確定申告や年末調整などの所得の情報に基づいて、お住まいの市区町村が税額を計算します。定額減税についても、市区町村が税額計算の過程で自動的に適用し、控除後の税額が記載された納税通知書(特別徴収の場合は特別徴収税額決定通知書)が送付されます。
フリーランスの方の場合、通常6月頃に送付される納税通知書で、定額減税が適用された後の年税額や各納付期ごとの納付額を確認することができます。
Q5:住民税の年税額が、定額減税額よりも少ない場合はどうなりますか?
A5: 個人住民税の年税額が、定額減税の合計額を下回るなど、税額から定額減税分を引ききれない場合があります。この場合、控除しきれない額については、別途給付金として支給される予定です。
給付金の具体的な内容や手続きについては、お住まいの市区町村からのお知らせをご確認ください。給付金は非課税となる見込みです。
Q6:予定納税や中間納付に影響はありますか?
A6: 個人住民税に「予定納税」や「中間納付」という制度はありません。個人住民税の普通徴収は、年税額を通常6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納付する仕組みです。前述の通り、定額減税は主にこの6月分の納付額から控除が開始されます。
所得税の予定納税については、定額減税が考慮された計算方法が適用される場合がありますが、個人住民税の普通徴収は、予定納税とは異なる仕組みとなります。
Q7:いつ頃、定額減税が適用された納税通知書が届きますか?
A7: 個人住民税の納税通知書は、通常6月頃にお住まいの市区町村から送付されます。この通知書に、定額減税が適用された後の年税額や、各納付期ごとの金額が記載されています。
普通徴収の方の場合は、6月、8月、10月、翌年1月の各納期限までに納付が必要です。通知書を確認し、定額減税が正しく適用されているか、各期の納付額がいくらになるかをご確認ください。
Q8:定額減税の対象とならない人はいますか?
A8: 個人住民税の定額減税についても、所得制限があります。具体的には、合計所得金額が1,805万円(給与収入のみの場合は2,000万円)を超える方は対象外となります。
また、住民税が非課税の方や、住民税均等割のみ課税されている方も、定額減税の対象とはなりません。これらの世帯に対しては、別途給付金などの支援措置が検討・実施されています。
まとめ
個人住民税の定額減税は、フリーランスの方が多く該当する普通徴収の場合、主に6月以降の納税額から自動的に控除されます。特別な申請手続きは原則不要で、お住まいの市区町村から送付される納税通知書で控除額や各期の納付額を確認することになります。
所得税の定額減税とは別に計算され、控除しきれない金額は給付金で調整される仕組みも設けられています。6月頃に届く納税通知書をよく確認し、ご自身の税額や納付額をご確認いただくことが大切です。ご不明な点があれば、お住まいの市区町村の住民税担当部署にお問い合わせください。