フリーランス向け：2024年所得税改正の特定の所得・控除に関するQ&A
2024年の所得税改正は、国民の生活や事業活動に様々な影響を与えます。特にフリーランスの方々にとっては、ご自身の所得や経費、そして確定申告の手続きにどのように関係するのか、正確に把握しておくことが重要です。
このQ&Aでは、「Q&Aでわかる2024税制改正」の読者であるフリーランスの皆様が、2024年所得税改正に関して抱きやすい疑問点のうち、既存の記事テーマ（定額減税、国外居住親族の扶養控除、災害時の雑損控除、住宅ローン控除、少額減価償却資産の特例）以外の特定の所得や控除、確定申告手続きに関連するポイントに焦点を当て、分かりやすく解説いたします。
正確な情報を理解し、適切な確定申告を行うためにお役立てください。
Q1：2024年所得税改正で、フリーランスが特に確認すべき、定額減税以外の大きなポイントは何ですか？
A1：大きな変更は限定的ですが、既存制度の適用には注意が必要です
2024年の所得税改正では、報道等で大きく取り上げられた定額減税が注目されていますが、フリーランスの事業所得計算や確定申告に直接関わる大きな制度変更は、既存の制度の適用範囲の明確化や、関連する税法との連携に関するものが多いと言えます。
具体的には、事業に関連する支出の経費性に関する従来のルールの確認、特定の所得の税務上の取り扱いの再確認、そして確定申告書の様式や提出方法に関する細かな変更点が挙げられます。これらの変更点は、個々の事業形態や収入の種類によって影響の度合いが異なりますので、ご自身の状況に合わせて確認を進めることが大切です。
Q2：事業に関連する特定の支出について、2024年改正で経費計上ルールに新たな明確化や変更はありましたか？
A2：一般的な経費計上ルールに大きな変更はありませんが、関連法規への対応が重要です
事業で発生した支出を必要経費として計上する基本的なルールについて、2024年の所得税改正で大幅な変更があったわけではありません。しかし、経費として認められるかどうかの判断基準（事業との関連性、業務遂行上の必要性など）や、その証拠となる書類（領収書、請求書など）の保管については、引き続き厳格な対応が求められます。
特に、2024年1月1日から電子帳簿保存法が本格的に義務化されたことにより、領収書などを電子的に受け取った場合の保存方法に注意が必要です。所得税の確定申告において、経費の妥当性を証明するためには適切な帳簿付けと証拠書類の保存が不可欠であり、電子帳簿保存法への対応は間接的に確定申告準備に影響します。事業に関わる全ての支出について、適切に記録し、証拠書類を整理しておく習慣を維持することが、税務調査などにも対応できる正確な申告につながります。
Q3：特定の所得（例：副業、一時的な収入）の税務上の取り扱いについて、2024年改正で注意すべき点はありますか？
A3：事業所得か雑所得かの区分は引き続き重要な論点です
副業や一時的な収入があるフリーランスの方にとって、その収入が事業所得となるのか、あるいは雑所得となるのかという区分は、税金計算上非常に重要な論点です。2024年の所得税改正で、この区分の基本的な考え方に大きな変更があったわけではありませんが、過去の税務上の議論を踏まえ、引き続き注意が必要です。
例えば、事業として継続的に行っている活動から生じる収入は事業所得となる可能性が高いですが、趣味や一時的なアルバイトのような活動から生じる収入は雑所得と判断されることがあります。事業所得であれば、その収入を得るためにかかった経費を幅広く計上できますが、雑所得の場合は経費計上に制限がある場合があります。ご自身の収入がどの区分に該当するのかを判断する際は、その活動が営利性・継続性・反復性を伴っているか、自己の危険と計算において事業を行っているかなどを総合的に考慮する必要があります。判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談されることをお勧めします。
Q4：確定申告書の様式やe-Taxでの申告方法で、2024年改正に伴う変更はありますか？
A4：細かな様式変更や、e-Taxの機能更新が生じる可能性があります
税制改正が行われると、その内容を反映させるために確定申告書の様式が変更されることが一般的です。2024年分の確定申告（2025年に提出）についても、所得税改正の内容に応じて申告書の特定の項目や記載方法に細かな変更が生じる可能性があります。
特に、定額減税に関する記載欄などが追加・変更されることが想定されますが、これは主に給与所得や公的年金等に係る部分に関連する変更が多くなる見込みです。フリーランスの事業所得に係る計算部分で大きな様式変更は限定的かもしれませんが、税務署から送付される確定申告書や、国税庁のウェブサイトで公開される最新の様式を必ず確認するようにしてください。
また、e-Taxを利用して申告を行う場合も、税制改正の内容に合わせてe-Taxソフトや確定申告書等作成コーナーの機能が更新されます。最新のバージョンを利用し、ガイダンスに従って入力を進めることが、正確な申告には不可欠です。e-Taxを利用することで、書類の準備や提出の手間を減らし、誤りを防ぐことにもつながりますので、利用を検討されると良いでしょう。
2024年所得税改正に関する特定のポイントについて、Q&A形式で解説しました。税制改正は多岐にわたるため、ご自身の状況に合わせて必要な情報を確認し、早めに確定申告の準備を進めることが大切です。不明な点があれば、国税庁のウェブサイトや税務署、あるいは税理士などの専門家にご相談ください。