2024年定額減税:フリーランスの扶養親族に関する疑問解決Q&A
2024年、所得税および個人住民税において、定額減税が実施されることになりました。この定額減税は、納税者ご本人だけでなく、扶養親族がいる場合にはその人数に応じても適用されることになります。フリーランスとしてご自身で確定申告を行っている方の中には、「自分の扶養親族は定額減税の対象になるのか」「どのように計算するのか」「確定申告書にはどう記載するのか」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、2024年の定額減税のうち、特にフリーランスの方が知っておきたい扶養親族に関する適用方法や計算について、Q&A形式で分かりやすく解説いたします。正確な申告を行うためにも、ぜひご確認ください。
Q1:定額減税の対象となる「扶養親族」とは、フリーランスの場合どう考えますか?
A1: 定額減税の対象となる扶養親族は、原則として、所得税法上の控除対象扶養親族の要件を満たす方、または16歳未満の扶養親族を指します。具体的には、納税者ご本人と生計を一にしている親族で、令和6年(2024年)の合計所得金額が48万円以下であることなどの要件があります。
フリーランスの方の場合、ご自身の事業所得も含めた合計所得金額が1,805万円以下であることが定額減税の前提となります。その上で、ご自身が扶養している親族(配偶者や子ども、両親など)が、上記の要件を満たし、かつ他の納税者の同一生計配偶者や扶養親族とされていない場合に、定額減税の対象となる扶養親族としてカウントされます。
例えば、納税者であるフリーランスのご本人が、生計を一にする配偶者(合計所得金額が48万円以下)と、15歳の子ども(合計所得金額が48万円以下)を扶養している場合、定額減税の対象となる扶養親族は配偶者と子どもの2人となります。
Q2:年の途中で扶養親族が増減した場合、定額減税額はどうなりますか?
A2: 所得税の定額減税において、対象となる扶養親族の数は、原則として「令和6年6月1日」時点の現況で判定されることになっています。したがって、年の途中で扶養親族が増えたり減ったりした場合でも、原則として令和6年6月1日時点の扶養親族の数に基づいて定額減税額が計算されます。
ただし、最終的な定額減税額は、令和6年分の所得税の確定申告で精算されることになります。確定申告においては、年末時点の扶養親族の状況などが考慮される場合もありますが、定額減税の計算においては6月1日時点の判定が基本となります。詳細な取り扱いは確定申告の際に改めて国税庁から情報が提供される予定です。
Q3:扶養している親族が、給与所得者や年金受給者の場合でも、定額減税の対象になりますか?
A3: はい、対象となる可能性があります。扶養親族の所得の種類(給与所得、年金所得、事業所得など)は問いません。重要なのは、その親族が所得税法上の扶養親族の要件(Q1参照)を満たしていること、特にその親族自身の令和6年分の合計所得金額が48万円以下であることです。
例えば、フリーランスのご本人が、パート収入がある配偶者(年間の合計所得金額が48万円以下)を扶養している場合、その配偶者は定額減税の対象となる同一生計配偶者としてカウントされます。同様に、年金収入のみで所得が基準額以下の親を扶養している場合も対象となります。
ただし、扶養している親族が他の納税者の扶養に入っている場合は、重複して定額減税の対象となることはできません。例えば、夫婦でそれぞれが個人事業主の場合、どちらか一方が配偶者を扶養親族として定額減税の対象とすることになります。
Q4:16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象外ですが、定額減税の対象になりますか?
A4: はい、なります。所得税の扶養控除は、16歳以上の扶養親族に対して適用されますが、定額減税の対象となる扶養親族は、年齢にかかわらず、所得税法上の扶養親族の要件(生計を一にしていること、合計所得金額が48万円以下であることなど)を満たす親族であれば対象となります。
したがって、16歳未満のお子様など、扶養控除の対象にはならない扶養親族も、定額減税においては対象となる扶養親族としてカウントされ、一人あたり3万円の減税が適用されます。
Q5:確定申告書には、扶養親族に関する定額減税についてどのように記載する必要がありますか?
A5: フリーランスの方が確定申告で定額減税の適用を受ける場合、確定申告書に納税者ご本人や扶養親族の情報を正しく記載することで、税額計算の過程で定額減税額が反映される仕組みになる見込みです。
具体的には、確定申告書の所定の欄に、ご本人の情報のほか、同一生計配偶者や扶養親族の氏名、マイナンバー、生年月日などを記載することになります。これらの情報は、従来の確定申告書で扶養控除などを適用する際に記載していた箇所に準じるものと考えられます。定額減税額自体を直接記入する欄が設けられるか、あるいは税額計算の過程で自動的に計算されるのかなど、確定申告書の具体的な記載方法については、国税庁から公表される令和6年分の確定申告書様式や手引きをご確認いただく必要があります。
確定申告書等作成コーナーを利用して申告書を作成する場合、画面の案内に従って情報を入力すれば、自動的に定額減税額が計算されることが想定されます。正確な手続きについては、国税庁の公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
まとめ
2024年の定額減税は、フリーランスの方ご本人だけでなく、要件を満たす扶養親族の人数に応じても適用される重要な改正点です。特に、扶養親族の要件判定(合計所得金額、生計同一など)、令和6年6月1日時点の現況判定、そして16歳未満の扶養親族も対象となる点などを正確に理解しておくことが大切です。
ご自身の扶養親族が定額減税の対象となるかどうか、正確な減税額はいくらになるのかを確認し、2025年に行う令和6年分の確定申告で適切に申告できるよう、今から準備を進めておくことをお勧めいたします。不明な点は、国税庁のホームページや税務署に確認するようにしましょう。